vol.13 床のお手入れ
前回のコラムでは、新居の床を杉の無垢フローリングで統一したお話しをしました。
今回は床のお手入れについてです。
木材を保護する仕上げ塗料には、大きく分けて2種類あります。
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ウレタンやUVなどのコーティング系塗料
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オイルやワックスなどの浸透性塗料
1のコーティング系塗料は、その名の通り木材を膜で覆うので、汚れがつきにくくメンテナンスが楽。
2の浸透性塗料は、天然由来の原料でできたものが多く、木の表情をいかした自然な仕上がりになります。
我が家は2の浸透性、自然派塗料を使おうと決めていましたが、国内外の様々なメーカーから出ていて、調べるほどに迷いました。最終的には「アマニ油が主原料」というところに惹かれ、ドイツ、リボス社のクリアー塗料を購入してみました。
引越前に自分たちで塗装をしたのですが、これが中々大変な作業でした。
まず木材をサンドペーパーで軽くこすり、削りカスをきれいに掃除してから塗装。表面に残った塗料を拭き取ったら、時間を置いて、もう一度塗装&拭き取り。
また、1階〜ロフトの床だけでなく、木材を使っている柱や窓枠、棚、階段、1階天井と、塗装範囲が思いのほか広かったのです。
乾燥させる時間も必要だったので、結局2日かけての作業となりました。
疲れましたが、嫌な塗料のにおいがしなかったことと、木材に自然なツヤが出て一層きれいになったのが何よりでした。
家具が入る前に塗装しました。天井などの高い部分は夫、床は私、と担当分け。
きちんと仕上げ塗料を塗った無垢床なら、普段のお掃除は掃除機で充分。無垢材は水をきらうので、水拭きする時は固く絞ったぞうきんを使い、その後カラ拭きするのが基本。
スチーム洗浄機などの使用は、熱と水分で木材が傷むので、避けた方がよいそうです。
最近メンテナンス用に使いはじめたのが、ドイツ、アウロ社の天然床ワックス。水で希釈するタイプなので、普通のぞうきん掛けと同じ感覚で使えて、とっても楽!乾燥が早いのも助かります。
メーカーは2週間に1度の使用を推奨していますが、これなら気負わずに出来そう。拭いた後の床はサラッとして気持ちいいです。
水に溶かすと、乳白色に。ほのかにオレンジの香りがします。
ウェスに染みこませ、ハンディモップで拭き取りしても。
次回はテーブルやソファといった家具のお手入れについて、お話しします。
渡部和泉 わたなべ いずみ
ライター、フードコーディネーター、国際中医薬膳師。 著書に「季節の手づくりジャムの本」、「家族ではじめる、小さなカフェ」などがある。東京の郊外に建てたWBハウスで、月に1日だけオープンする「cafe mel」を営む。