vol.24 花のある暮らし
なくてもいいけれど、あると毎日の暮らしが潤う、ささやかなもの。
寝る前の読書タイム、とっておきのチョコレート1粒、挽き立てのコーヒー。ネイルやアロマという方も多いでしょう。
私にとってのそれは、家に飾るお花。
といっても花の知識があるわけでもなく、むしろ植物を育てるのは苦手。枯らしてしまった観葉植物はいくつもあるし、庭は雑草ばかり…。
だからこそ、切り花は「育てなくちゃ」というプレッシャーもなく、純粋に癒やされるのだと思います。
大きな花束だと、それなりの金額だし、立派な花瓶と飾る場所を用意しなくちゃ、とハードルがあがるので、私はスーパーや近所の花店で買うことが多いです。ワンコイン程度の小さな花束で充分。わが家のある西東京付近では、農協でもリーズナブルに売っています。
花の咲いた菜の花を、カップにギュッとつめて。
ジュースの空き瓶や実験用のフラスコを使っても。
買ったまま空き瓶に入れることもあるけれど、大抵は数本ずつに分けて挿します。ヒビが入ってしまったカップやら、沖縄のお猪口、ジャムの瓶、ミルクピッチャーなど、何でもあり。
小さいサイズなら、テーブルの上、食器棚のすき間、調理台の脇など、ちょっとした場所にさりげなく置けるのが便利。
ふとした時に目に入り、なんとなく気持ちがほぐれるのです。
今年はお花見を自粛される方も、多いのではないでしょうか。
そんな時はおうちでお花見気分を。桜の枝を買って楽しんだ後は、こんな風に水を張った器に浮かべて。
落ちた桜の花を拾ってきてもいいですね。
日本、いえ、世界中がざわざわしている時だからこそ。
日常に小さな潤いとやさしさを取り入れ、地に足をつけて暮らしていけたら、と思うのです。
ユーカリには、抗菌や頭をクリアにするアロマがあります。葉を皿にのせて、テーブルに。そのままドライになります。トイレに置くのもおすすめ。
渡部和泉 わたなべ いずみ
ライター、フードコーディネーター、国際中医薬膳師。 著書に「コーヒーショップをつくる」(旭屋出版)などがある。東京の郊外に建てたWBハウスで、月に1日だけオープンする「cafe mel」を営む。