人と人、空間と空間をつなぐ
スタイリッシュな3階建て
vol.10 小金井市Yさま邸
グレーのボックスが重なったような、スタイリッシュな外観。「外に生活感を出したくなかった」という奥さまの言葉通り、一見するとデザイナーズオフィスのようにも感じられます。
2013年に完成し、ご夫婦と小学校の息子さんふたりの計4人で暮らされている3階建ての家。
今回は、タカキホームと建築家の杉山純一さんが建てたYさん邸をご紹介します。
フレキシボードを使用した外観。グラデーションのあるグレーが印象的です。少し奥まった玄関は、プライバシーを確保してくれます。
玄関内側は広い土間のようなスペース。写真左下にあるのは、蓄熱暖房器。冬場の暖房器具として重宝しているそう。
2階にのぼると、まず目を奪われるのが窓からの眺め。ちょうど撮影時は、裏の建物の桜と新緑が美しい季節。
「ソメイヨシノだけではなく、しだれ桜や八重桜などが植えられているので、長い期間窓がピンク色に染まるんです。秋にはキンモクセイが咲いたり、クリスマスにはイルミネーションがついたりと、裏の借景で季節を楽しませてもらっています」と奥さま。
この眺めの特等席は、大きなアイランドキッチン。以前暮らしていたマンションのキッチンは、暗くて閉塞感があったことから、オープンなアイランドタイプに憧れがあったそう。
「料理の時間はリラックスタイム。窓からの明るい景色が気持ちいいんです。部屋の中心にキッチンがあるので、子ども達が自然に手伝ってくれるようになったらうれしいですね」と、にっこり。
以前から「建築家の建てる家」に憧れがあったYさん。家づくりをはじめるにあたり、「和室とふたりの子ども部屋、それにアイランドのキッチンと充実した収納がほしい」という希望を出し、数社に設計プランを依頼しました。
「タカキホームと建築家の杉山さんの提案が、ドンピシャだったんです。3階建てというのは想定外でしたが(笑)、最初に出していただいたプランから、ほとんど変えずに建てました。スイッチプレートや扉の把手、物干し竿といった小さなアイテムひとつとっても、杉山さんがおすすめしてくれるものはすべてセンスがよく、ストレスなく進みました」という奥さまの言葉に、ご主人は頷きながら「私たちのように忙しい共働き夫婦は、建築家に依頼すべきですね。時間と手間の無駄がなく、効率的です」と続けます。
洗面室の室内干し竿は、動線を邪魔しないよう折り曲げた、オリジナルデザイン。
2階のトイレと洗面所。ペーパーホルダーなどの小物類も、セレクトに抜かりがありません。
和室と寝室は1階、LDKが2階、子ども部屋は3階という設計です。1階にはウォークインクローゼットと広めのシューズクロークがありますが、2階はすっきりシンプル。ご夫婦がリクエストした「充実した収納」は、いったいどこにあるのでしょう?
答えは、寝室の下。ハッチで開閉できる、10畳もの床下収納が広がっているのです。
この広さならば、クリスマスツリーやゴルフ・スキー用品、季節外の衣類などがたっぷり入ります。通気断熱WB工法を採用しているので、床下でも湿気ることがありません。
CONNECTING
つながる家
スキップフロアや複数の出入り口などを設けることで、家族が適切な距離感を保ちながら、互いの存在を感じられる空間になっています。子ども達が成長しても、皆が快適に過ごせる家です。
LDKのある2階と子ども部屋のある3階は、吹き抜けでつながっています。LDKの上にある橋状の空間は、兄弟ふたりの机が並ぶスタディースペース。キッチンに立つお母さんの気配を感じつつ、勉強に集中ができます。
スタディースペースからスキップフロアで、こども部屋へ続きます。将来的には2部屋に区切れるようになっています。
玄関、和室、寝室、ウォークインクローゼット、その先の書斎は、扉をあけるとつながる仕組み。利用方法に幅があります。
玄関と続く和室は、ユーティリティスペースとして活用。
1階から3階までをつなぐ階段。
CONNECTING
「家が完成した後も、気になることはすぐにタカキホームに相談しています。常にアンテナをはり新しいことにチャレンジしているところも含め、信頼できる工務店。頼んでよかったと実感しています」と話すご夫婦。
息子さんは、タカキホームが実行委員を務める「木工チャレンジ」への参加を続けているとのこと。仲良しの兄弟が、木材を使って楽しく作品に挑戦する姿が目に浮かびます。
一番大好きな場所は?との質問に、お兄ちゃんは「みんなでごはんを食べる2階」、弟は「全部!」と元気いっぱいに答えてくれました。
「この家に住むようになってから、家での時間を楽しめるようになりました。雨の日は広いキッチンで一緒にクッキーを作り、バルコニーでご飯を食べればピクニック気分を味わえる。ガラス張りのお風呂は、昼間に入ると空が望めて最高なんです」
なんでもない1日を、スペシャルにしてくれる家。お父さん、お母さん、ふたりの子どもたち。Yさんご家族から伝わるハッピーな空気に、私たちも幸せな気分にさせてもらいました。
2階のリビングと引き込み式の掃き出し窓でつながるバルコニー。夏はここに七輪を置き、BBQを楽しむことも。
外からは見えない中庭デッキとつながる、ガラス張りのお風呂。昼間は明るい日差しが差し込む。
小金井市Yさま邸
構造 木造在来工法(通気断熱WB工法)
地上3階建て
敷地面積 100.04㎡
建築面積 48.32㎡(建ぺい率48.31%、許容60%)
延床面積 118.70㎡(容積率118.66%、許容160%)
設計:sside一級建築士事務所
about
the Architect
建築家
杉山 純一さん
すぎやま じゅんいち
1級建築士
株式会社sside(サイド)一級建築士事務所所属。
敷地の特性をいかした家づくりに定評がある。穏やかな人柄と抜群のセンスで、施主からの信頼が厚い。「狭小地や変形地などでも、それをプラス要素に変える提案をいたします。どうぞお気軽にご相談ください」。
取材・文
渡部和泉 わたなべ いずみ
ライター、フードコーディネーター、国際中医薬膳師。 著書に「コーヒーショップをつくる」(旭屋出版)などがある。東京の郊外に建てたWBハウスで、月に1日だけオープンする「cafe mel」を営む。
https://www.cafemel.com/
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